インテリアプランナーとは

インテリアプランナーとは、インテリアプランニングにおける企画・設計・工事監理を行うインテリアに関する知識と技術に習熟した専門家のことであり、公益財団法人建築技術教育普及センターが行う試験に合格し、登録を受けた資格者のことで、さらに更新講習制度によりその能力を審査・証明されている資格者です。現在、全国で約 7,300 人の資格者がインテリアデザイン事務所、建築設計事務所、インテリア施工会社、建設会社等、さまざまなフィールドで活躍しています。

平成28年度より、年齢・経験を問わず学科試験が受験可能となったことに伴い、学科試験の合格者(登録者)へ付与されるアソシエイト・インテリアプランナー(AIP)の称号が制度に新しく加わりました。若い方々やインテリアに興味がある方々がインテリプランナーを目指す足がかりとなる准インテリアプランナー資格であり、インテリアプランナーや建築士の指導の下でインテリア設計の補助業務を担うことを期待されています。

期待されるインテリアプランナー

21世紀は「インテリアの時代」と言われています。それは、社会の多様化に伴い、日々の生活や仕事の場が重視されるようになってきたからです。
建築設計が都市的領域に拡大する一方、建築設計で解決するばかりではなく、生活に身近なインテリア設計のレベルで解決するべき課題も増えています。
このような変化をうけ、建築界でもインテリアプランニングの重要性が認められるようになり設計組織でもインテリア部門を設けたり、独立した組織にすることも進んでいます。
建築設計の初期段階からインテリアプランナーが参加してプロジェクトを進める必要が高まってきているのです。

インテリアプランナーの仕事・役割

インテリアプランナーの仕事

インテリアプランニングは、インテリア空間のあり方を、時代や社会背景を考慮し、機能性、安全性、快適性、経済性を基に、高い技術と感性・経験により提案し、その実現を通じて広く生活環境の向上を図っていくことです。
対象とする領域は住宅、オフィス、店舗、ホテル、病院、学校、工場、公共施設など生活環境全般に関わるインテリア空間です。
その仕事は、コンセプトを策定する「プログラミング業務」から、「デザイン業務」、品質・コストの管理、施工管理等を行う「マネージメント業務」にまで及びます。

アソシエイト・インテリアプランナーの仕事

インテリアプランナーや建築士の指導の下でのインテリア設計等の補助が業務範囲です。ゆえに活躍が期待されるフィールドは、インテリアプランナーや建築士などの上位資格者と同様で多彩です。

プロセス 企画・デザイン・完成・運営まで、広い業務範囲

Programming [ プログラミング 業務 ]

●構想に参画し、「人と環境」の調和を目指したコンセプトを提案します。
●プロジェクトを「生活環境」という基本的で身近な視野でとらえ、プログラムづくりを行います。

Phase1 調査・分析

構想への参画・設計条件の把握
●企画内容の確認 ●設計範囲の確認
●施主及び、使用者のニーズの把握
(業種・業界の調査研究)(施設の機能把握)(中長期規模の概要把握)
●環境・健康への対応
●対応施設の調査/施設と運用(ヒヤリング・アンケート)
●対象施設の問題点の摘出
●対象施設の改善方針の提案
●実例調査比較
●対象建物(空間)の調査・把握
●関連法規のチェック
●スケジュールの設定
●プレゼンテーション

 

Phase2 コンセプト策定

基本構想の提案と計画目標の決定
●イメージコンセプト構築
●ゾーニング計画
●スペース計画(用途・規模設定)
●基本レイアウトの検討
●施設のグレード設定
●予算枠の設定
●プレゼンテーション
●ユニバーサル環境の提案
●健康・環境等の提案
●ライフサイクルアセスメントの提案

 

Design [ デザイン業務 ]

●コンセプト実現・達成のために適切な空間を計画・設計します。
●計画・設計が的確に実施されるための図書等の作成を行います。

Phase3 基本計画・設計

基本計画・設計の提案と決定
●基本平面図計画
●家具・什器計画
●コンセプトに対するデザインの提案
●収納計画
●主要材料の提案
●色彩計画
●照明計画
●CI計画の提案
●サイン計画
●緑化計画
●防災への対応計画(耐震・防水)
●設備計画/調整
●情報設備計画
●音響設備計画
●セキュリティー計画
●建築構造関連の検討
●関連法規の検討調整
●工事概算費用の算出
●スケジュール調整
●プレゼンテーション

 

Phase4 実施設計

実施設計及び・図書等の作成
●工法・材料の検討・選定
●実施設計図の作成
●特殊仕上げの詳細検討
●申請・届出等への協力
●構造・設備との調整
●設備図作成
●各種仕上げの仕様書作成
●別途工事との調整
●各区分工事の調整
●予算書作成・提示
●発注所作成提案
●工程の調整
●ファシリティマネジメントのソフトの提案決定

 

Management [ マネジメント業務 ]

●適正に施設等が完成するための品質管理・コスト管理を行います。
●完成後も施設が最適な状態を維持するためのコンサルティングを行います。

Phase5 監理

発注・監理業務
●施工者・専門メーカーなどの決定
●設計意図の伝達
●現場管理体制づくり
●施工図の検討・要領
●仕様の調整・材料・色の決定
●模型・モデルルーム・見本の決定
●工程チェック
●工事費精算業務
●施工資料作成
●使用マニュアル作成
●保守契約マニュアル作成
●引越し・各種検査立会い
●品質管理への参画

 

Phase6 運用・管理

運用・管理の支援及び将来の施設変更計画への参画
●移転業の支援
●家具・施設のデータ作成図面の管理等(ファシリティマネージメント)の支援
●事後意識調査
●環境調査・安全業務支援
●リニューアル計画
●将来の拡張計画・更新計画