1.インテリアプランナー制度発足から、IP協会設立、現在までの歴史


そもそもインテリアプランナーって 何?

「インテリアの企画・設計・工事監理を行う専門家で、国土交通省所管の公益財団法人建築技術普及センターが認定するインテリアプランナー資格者のことです。」


1987年 インテリアプランナー資格制度発足

この制度発足に尽力された小原二郎先生が語った制度発足までの記録によると、「インテリアコーディネータ―は1983年(昭和58年)に誕生した。コーディネーターは住宅を対象にした物品流通の専門家として認められた資格であった。しかし、インテリアは住宅だけではない。公共建築や商業建築にはもっと大きくて重要なインテリア空間がある。それらを対象に設計する人材を育成する必要があるという理由で当時の建設省はプランナー制度を発足させるための委員会を設けた。しかし、建築設計士の団体から建築士という国家認定の資格を持つ人達が大勢いいるのに、今更インテリアの専門家を育成する必要はなく建築士の権益を侵すものだという趣旨の反対にあった。」

その後2年くらいの折衝の結果プランナー制度は1987年(昭和62年)建築士に次ぐ資格としてスタートした。スタートから4年後には約20,000名のインテリアプランナーが誕生したが、残念ながら今は全国で6,494名(2019年10月1日現在)ほどに減っている。


1991年~1994年 全国各地でインテリアプランナー協会が設立 

インテリアプランナーという資格はあまり世の中に知られず、小原二郎先生や資格を発給していた建築技術教育普及センターの方々が全国を回り説明会を開き、このままではせっかくの資格が宝の持ち腐れになる、各地域ごとに有志が集まって協会をつくり、自分たちの力で地位の向上を図る以外に方法はない。その結果全国に10の協会が生まれ、JIPAT/東京インテリアプランナー協会は1995年に設立された。

さらに各地域協会が集まる全国連絡会を設置し、全国組織への道筋をつけた。


1998年 全国組織であるJIPA/日本インテリアプランナー協会協議会を設立

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history02sこの年10月30日、全国10協会が集まり、インテリアプランナー協会の連合組織としての「日本インテリアプランナー協会協議会」を設立し、東京デザインセンターで設立記念大会が開催された。その設立宣言では「私たち、インテリアプランナーは、すべての人が健康で安全に 暮らせる快適なインテリア空間の創造をめざして、インテリアから地球環境に至る学術・技術・芸術の深耕につとめ、広く社会に貢献することを宣言します」というもので新たなスタートを切った。

一般的に協会は“親”である全国組織の協会が出来て、“子”である各地域の協会が生まれるのが普通であるがJIPAは逆であった。


2004年 有限責任中間法人日本インテリアプランナー協会/JIPAに改称

今までは単なる任意団体であったが、2004年有限責任中間法人日本インテリアプランナー協会と改称した。これは今までJIPAが単なるIP資格者の集まりであった任意団体から法人格の団体へと変わり、責任のある組織として社会的に認知され、信頼を得られる協会へ進むスタートとなった。


2009年 法人の制度改革により一般社団法人日本インテリプランナー協会と改称 

この年より法人の制度改革により一般社団法人日本インテリアプランナー協会と改称し、現在は新しく出来たインテリアプランナーを目指すアソシエート・インテリアプランナーとインテリアプランナー資格者が中心となって活動している。


 

2.JIPAの活動・事業などについて


1999年「インテリアプランニング・ドキュメント」編集・出版 

当時インテリアの完成写真集などの書籍はたくさんあったが、そのプロセスを紹介するものはなかった。そこで、“構想から空間へ”と題し、インテリアプランニングされた“優れたインテリア”の紹介をし、それがどのようにプランニングされ空間として完成されたのかを分かりやすくまとめた書籍をJIPAが企画・編集して出版した。history03s

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2001年 JIPA主催 「IPEC21」(INTERIOR PRO EX CO 21)始まる  

INTERIOR PROFESSINALS EXHIBITION & CONFERENCEの略。

 “健康な環境へ”をテーマに「インテリアのプロと企業をつなぐ国際展示会とセミナー」であり、インテリアと名のつく日本で初めての、インテリアのプロによる、プロのためのイベントを無謀にも職能団体であるJIPAが主催し開催した。このイベントは日本インテリアデザイナー協会、インテリア産業協会の特別協賛を得て実現したものである。その趣旨は、「インテリアのプロフェッショナルとして、業界の発展に寄与するとともに、エンドユーザーである社会に対して、積極的に提言・発信する場としての総合的なインテリアエキジビション&コンファレンス」であった。第1回目にはセミナーの講師として、日本インテリアデザイナー協会元理事長の木村戦太郎氏、第2回目には日本商環境デザイン協会元理事長の飯島直樹氏にもご登壇いだいた。

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2003年からは企業展示だけではなく、デザイナーと企業がコラボレーションする「DESINERS SHOWCASE」の展示を開始した。

2001年~2010年まで10回、毎年東京BIGサイトで開催し、2007年より21を取り「IPEC」と改称し、更に2012年~2016年までは会場を東京工学院大学に移し継続してきた。

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「IPEC21」 PARISに行く

2004年~2006年までの3年間、パリで開催された「SALON DU MEUBLE DE PARIS」に「DESINERS SHOWCASE」が出展した。

2004年には2003年のIPEC21でデザイナーズショーケースに出展した優秀作品を展示。

2005年には優秀作品と隈研吾氏の招待作品も展示し、2006年にはNIPPON DESIGN PAVILIONという名でグエナエル・ニコラ氏がプロデュースしたブースに参加した。

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「インテリアプランニング アワード」と「インテリア・ベストセレクション」を創設・開始

優れたインテリア作品を審査し表彰する「インテリアプランニング アワード」を2010年から隔年で実施した。これは建築技術教育普及センターが主催していた「インテリアプランナー賞」を引き継ぐ形で実施した。優れたインテリアを実現するために、インテリアプランナーは重要な役割を担っているが「インテリアプランニング アワード」では、デザイン性はもとより、環境への配慮、そして公共性・安全性について、また空間構成や室内環境の計画などを審査した。

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さらに厳正な審査により選ばれて入賞、入選した作品を「インテリアプランニング・ベストセレクション」という作品集に収録・編集し出版した。この成果は、良質なインテリアを評価し一般公開することで、インテリアプランナーの仕事を社会に広めることにつながることになる。

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「インテリアプランニング コンペティション」を開催

2016年のIPECより、建築・インテリアを志す若手の育成と新たな場の創出のための「インテリアプランニングコンペ」と題したアイデアコンペを実施した。

2016年~2018年まで2回開催し、2020年3回目を実施する。

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「木材活用コンクール」で 日本インテリアプランナー協会賞を授与

日本木材青壮年団体連合会主催の「木材活用コンクール」の審査に参加し、2011年からはインテリアの優秀作品に「日本インテリアプランナー協会賞」を設定し授与している。

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「インテリアプランナー ガイドブック」の編集協力

2016年に建築技術教育普及センタ―からの依頼で、インテリアプランナー受験を目指す人のための学習参考書である「インテリアプランナー ガイドブック」学科試験編及び設計製図試験編の編集協力を行った。2019年発刊された改訂版はJIPAがすべてを編集し出版した。

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